专利摘要:
開示されているのは、着色剤と、3−(2−メトキシフェノキシ)−1−2−プロパンジオールを含むブリード制御剤とを含む水性インクジェットインクである。このインクは、例えば、普通紙に印刷すると、インターカラーブリードの減少を示し有利である。
公开号:JP2011509318A
申请号:JP2010539536
申请日:2008-10-01
公开日:2011-03-24
发明作者:エステバン;ヴァレンティーニ ホセ
申请人:イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company;
IPC主号:C09D11-00
专利说明:

[0001] 関連出願の相互参照]
[0002] 本出願は、その内容全体を本明細書に記載したものとして、その開示内容が参考文献として援用される、米国仮特許出願第61/008005号明細書(2007年12月18日出願)の優先権を主張する。]
[0003] 本発明は、水性インクジェットインク、特に、水性ビヒクルと、着色剤と、ブリード制御剤とを含む水性インクジェットインクに関する。]
背景技術

[0004] インクジェット印刷はノンインパクト印刷プロセスであり、インク液滴を、紙等の基材に付着して、所望の画像を形成するものである。液滴は、マイクロプロセッサにより生成される電気信号に応答して、プリントヘッドから吐出される。インクジェットプリンタは、低コストで高品質の印刷を行うものであり、他のタイプのプリンタに代わって普及してきている。]
[0005] インクジェットプリンタは、インクセットを備えており、フルカラー印刷については、典型的に、シアン、マゼンタおよびイエローインク(CMY)を含んでいる。インクセットはまた一般的にブラックインク(CMYK)を含む。]
[0006] ある色から他の色へのブリードは、インクジェット印刷において特に問題である。その理由は、インクが比較的低粘度でありかつ広がる傾向があるため、また、インクジェットプリンタは、同時(または略同時)に、3または4原色を印刷する能力があるためである。かかるカラーブリードは、解像度の低い不明瞭な画像を生成することが多い。]
[0007] 隣接する印刷液体のブリードを防ぐために、様々な方法が提案されてきた。1つの方法は、2つの印刷液体を、互いに距離を離して適用して、印刷液体が混じったり、混合されたりしないようにするものである。しかしながら、この方法は、問題の解決策ではなく、解像度の低い画像が生成される]
[0008] 他の方法は、第1の印刷液体が完全に乾くまで、第2の印刷液体の適用を遅らせるものである。この方法も非効率であるばかりでなく、完全に有効でないため不利である。]
[0009] ブリードを制御するさらに他のやり方は、印刷液体の基材への浸透速度を増大するものであるが、これは、光学密度を減じる傾向がある。]
[0010] 米国特許第5,488,402号明細書には、2つの異なるカラーインク組成物間の色のブリードを防ぐ方法が開示されており、第1のインクはアニオンで、1つ以上のカルボキシルおよび/またはカルボキシレート基を含む着色剤を含み、第2のインクは、2つのインク組成物間のブリードを防ぐために、第1のインク中の着色剤とイオンで架橋して、固体沈殿物を形成するよう設計された沈殿剤を含んでいる。多価金属塩が、沈殿剤として有用なものとして開示されている。]
[0011] 米国特許第5,518,534号明細書には、それぞれが水性キャリア媒体および着色剤を含有する第1のインクおよび第2のインクを用いる多色印刷要素におけるブリードを軽減するためのインクセットが開示されており、第1のインク中の着色剤は、顔料分散液であり、第2のインクは有機酸または鉱酸の塩を含有していて、25℃で水100部中少なくとも10部の溶解度を有しており、塩は、第1と第2のインク間のブリードを軽減するのに有効な量で存在している。]
[0012] 無機または有機塩をインクセットの1つ以上のインクに用いると、ブリードを制御するのに有効であったが、これらの塩の存在によって他の問題が生じる。]
[0013] ブリードを制御する公知の方法は、有効であるものの、様々な欠点がある。塩を用いず、光学密度を損なうことなく、ブリードを制御する他の方法が尚必要とされている。]
課題を解決するための手段

[0014] 一態様において、本発明は、水性ビヒクルと、着色剤と、ブリード制御剤とを含むインクジェットインクに関する。ブリード制御剤は、3−(2−メトキシフェノキシ)−1−2−プロパンジオール(MPPDと略記)を含む。好ましい実施形態において、着色剤は自己分散性顔料を含む。]
[0015] 他の態様において、本発明は、少なくとも4つの異なる着色インクを含むインクジェットインクセットに関し、前記異なる着色インクの少なくとも1つが、水性ビヒクルと、MPPDを含むブリード制御剤とを含む。好ましい実施形態において、少なくとも4つの異なる着色インクは、マゼンタ、イエロー、シアンおよびブラックインクを含み、ブラックインクは、水性ビヒクル、カーボンブラック顔料およびMPPDを含む。]
[0016] ブリード制御剤3−(2−メトキシフェノキシ)−1−2−プロパンジオールは、「グアイフェネシン」という一般名でも知られており、CAS登録番号[93−14−1]であり、Aldrich(Milwaukee,WI,USA)をはじめとするいくつかの供給源より市販されている。]
[0017] 本発明のこれらおよびその他特徴ならびに利点は、当業者であれば、以下の詳細な説明を読むことにより、容易に理解されるであろう。明確にするために、上述および別個の実施形態で後述する本発明の特定の特徴もまた単一の実施形態において組み合わせで提供されてもよいものと考えられる。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態で記載された本発明の様々な特徴も、別個に、またはサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、特に別記しない限り、単数で参照されたものには、複数も含まれる(例えば、「1つ」は1つ、または1つ以上を参照している)。また、範囲で示された値を参照する場合には、その範囲内のそれぞれ、および各値が含まれる。]
[0018] 上述したとおり、本発明によるインクジェットインクは、概して、水性ビヒクルと、着色剤と、MPPDを含むブリード制御剤とを含む。任意で、他の成分(添加剤)がインク中に存在していてもよい。インクビヒクルは、着色剤および添加剤のための液体キャリア(または媒体)である。インク着色剤とは、色を与えるインクの任意および全ての種のことを指し、単色種または最終インク色を集合的に定義する複数色種とすることができる。]
[0019] ビヒクル
「水性ビヒクル」という用語は、水と、共溶媒または保湿剤と一般的に呼ばれている1つまたは複数の有機水溶性ビヒクル成分とを含むビヒクルのことを指す。当技術分野では、共溶媒が、印刷基材上のインクの浸透および乾燥を補助できるときは、浸透剤と呼ばれることがある。]
[0020] 水溶性有機溶媒および保湿剤としては、アルコール、ケトン、ケト−アルコール、エーテルおよびその他、例えば、チオジグリコール、スルホラン、2−ピロリドン、イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−5,5−ジメチルヒダンチオンおよびカプロラクタム、グリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコールおよびヘキシレングリコール、オキシエチレンまたはオキシプロピレンの付加ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等、トリオール、例えば、グリセロールおよび1,2,6−ヘキサントリオール、多価アルコールの低級アルキルエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、多価アルコールの低級ジアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールジメチルまたはジエチルエーテル、ウレアおよび置換ウレアが例示される。]
[0021] 一般に浸透剤として作用する共溶剤としては、高級アルキルグリコールエーテルおよび/または1,2−アルカンジオールが例示される。グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルおよびジプロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテルが挙げられる。1,2−アルカンジオール浸透剤としては、例えば、1,2−(C5〜C8)アルカンジオール、特に、1,2−ペンタンジオールおよび1,2−ヘキサンジオールが挙げられる。]
[0022] 水性ビヒクルは、典型的に、約65重量%〜約95重量%の水を含有し、残部(すなわち、約35%〜約5%)は、有機水溶性ビヒクル成分である。インク中の水性ビヒクルの量は、典型的に、インクの総重量を基準として、約75重量%〜約99.8重量%の範囲である。]
[0023] 着色剤
着色剤は、任意の好適な着色剤とすることができる。当該技術分野において公知の典型的な着色剤は、ビヒクルに可溶(染料)または不溶かつ分散するもの(顔料)とすることができる。好ましい実施形態において、着色剤は顔料を含む。]
[0024] 原顔料は、インクビヒクルに不溶かつ、典型的に非分散性であり、安定な分散剤を形成するために処理しなければならない。顔料を分散液に対して安定化する1つのやり方は、分散剤による処理である。本明細書で用いる「分散剤」という用語は、概して、同じく当該技術において知られている「分散剤」および「懸濁剤」という用語と同義である。]
[0025] 分散剤は、例えば、米国特許第4,597,794号明細書、米国特許第5,085,698号明細書、米国特許第5,519,085号明細書および米国特許第6,143,807号明細書に開示されているような任意の好適な分散剤とすることができる。また、分散剤は、例えば、米国特許第5,708,095号明細書および米国特許第6,136,890号明細書および米国特許出願公開第2005/0090599号明細書に開示されているような分散剤とすることもできる。]
[0026] 分散液を調製するには、顔料および分散剤を予備混合しておき、ミリング工程で分散または解膠する。予備混合物は、ミリング工程がウェットミリング操作を含むときは、水性キャリア媒体(水と、任意で、水混和性溶剤等)を含む。ミリングは、2本ロールミル、媒体ミル、水平ミニミル、ボールミル、磨砕機において実施するか、または、液体ジェット相互作用チャンバ内で、少なくとも5,000psiの液体圧力で、複数のノズルに水性予備混合物を通して、水性キャリア媒体中の顔料粒子の均一な分散液を生成する(マイクロフルイダイザー)。あるいは、分散剤および顔料を、加圧下でドライミリングすることにより、濃縮物を調製してもよい。メディアミル用の媒体は、ジルコニア、YTZ(登録商標)(Nikkato Corporation,Osaka,Japan)およびナイロンをはじめとする一般的に入手可能な媒体から選択する。これらの様々な分散プロセスは、米国特許第5,022,592号明細書、米国特許第5,026,427号明細書、米国特許第5,310,778号明細書、米国特許第5,891,231号明細書、米国特許第5,679,138号明細書、米国特許第5,976,232号明細書および米国特許出願公開第2003/0089277号明細書に例示されているとおり、当該技術分野において一般的な意味で周知されている。作製された顔料分散液は、典型的に、濃縮形態(分散液濃縮物)であり、後に、最終インクを作製するために所望の添加剤を含有する好適な液体により希釈される。]
[0027] 顔料はまた、いわゆる自己分散性顔料とすることもできる。自己分散性顔料(「SDP」)という用語は、別個の分散剤なしで、水性ビヒクルにおいて安定した分散液が得られる親水性分散性付与基により化学的に変性された表面を有する顔料粒子のことを指す。親水性分散性付与表面基は、典型的にイオン性である。]
[0028] SDPは、官能基または官能基を含有する分子を、顔料表面にグラフトすることにより、物理的処理(例えば、真空プラズマ)により、または化学処理(例えば、オゾン、次亜塩素酸等による酸化)により調製してもよい。親水性官能基の単一種または複数種を、1つの顔料粒子に結合してもよい。]
[0029] 最も一般的には、分散性付与基は、カルボキシレートまたはスルホネート基であり、水性ビヒクルに分散したとき、SDPに負電荷を与える。カルボキシレートまたはスルホネート基は、一価および/または二価のカチオン対イオンに、通常、関連している。]
[0030] 自己分散性顔料は、例えば、米国特許第5,571,311号明細書、第同第5,609,671号明細書、第同第5,968,243号明細書、第同第5,928,419号明細書、第同第6,323,257号明細書、第同第5,554,739号明細書、第同第5,672,198号明細書、第同第5,698,016号明細書、第同第5,718,746号明細書、第同第5,749,950号明細書、第同第5,803,959号明細書、第同第5,837,045号明細書、第同第5,846,307号明細書、第同第5,895,522号明細書、第同第5,922,118号明細書、第同第6,123,759号明細書、第同第6,221,142号明細書、第同第6,221,143号明細書、第同第6,281,267号明細書、第同第6,329,446号明細書、第同第6,332,919号明細書、第同第6,375,317号明細書、第同第6,287,374号明細書、第同第6,398,858号明細書、第同第6,402,825号明細書、第同第6,468,342号明細書、第同第6,503,311号明細書、第同第6,506,245号明細書および第同第6,852,156号明細書に記載されている。]
[0031] SDPの商業的供給源としては、Cabot Corporation(Billerica,MA,USA)およびOrient Corporation of America(Kenilworth,NJ,USA)が挙げられる。]
[0032] インクジェットインクに有用な色の特性を備えた顔料としては、(シアン)ピグメントブルー15:3およびピグメントブルー15:4、(マゼンタ)ピグメントレッド122およびピグメントレッド202、(イエロー)ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー110、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー128およびピグメントイエロー155、(レッド)ピグメントオレンジ5、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ62、ピグメントレッド17、ピグメントレッド49:2、ピグメントレッド112、ピグメントレッド149、ピグメントレッド177、ピグメントレッド178、ピグメントレッド188、ピグメントレッド255およびピグメントレッド264、(グリーン)ピグメントグリーン1、ピグメントグリーン2、ピグメントグリーン7およびピグメントグリーン36、(ブルー)ピグメントブルー60、ピグメントバイオレット3、ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23、ピグメントバイオレット32、ピグメントバイオレット36およびピグメントバイオレット38ならびに(ブラック)カーボンブラックが例示される。しかしながら、これらの顔料の中には、SDPとして調製するのに好適でないものもある。着色剤は、本明細書においては、Society Dyers and Colourists(Bradford, Yorkshire, UK)により「C.I.」表示で参照されており、The Color Index,Third Edition,1971年に公開されている。]
[0033] 分散後の有用な粒子サイズ範囲は、典型的に、約0.005ミクロン〜約15ミクロンである。好ましくは、顔料粒子サイズは、約0.005〜約5ミクロン、最も好ましくは、約0.005〜約1ミクロンの範囲でなければならない。動的光散乱により測定される平均粒子サイズは、約500nm未満、好ましくは約300nm未満である。]
[0034] 処方インクに用いる顔料のレベルは、所望の光学密度を印刷画像に付与するのに必要なレベルである。典型的に、顔料レベルは、約0.01重量%〜約10重量%、より典型的には、約1重量%〜約9重量%の範囲である。]
[0035] その他の成分(添加剤)
その他の成分、添加剤を、インクジェットインクに処方してもよく、かかるその他の成分が、インクの安定性および噴射性を妨害しない程度とする。これは、所定の実験により容易に求められる。かかるその他の成分は、一般的な意味では、当技術分野で周知である。]
[0036] 一般的に、界面活性剤をインクに添加して、表面張力および湿潤特性を調整する。好適な界面活性剤としては、エトキシル化アセチレンジオール(例えば、Air Products製Surfynols(登録商標)シリーズ)、エトキシル化第1級(例えば、Shell製Neodol(登録商標)シリーズ)および第2級(例えば、Union Carbide製Tergitol(登録商標)シリーズ)アルコール、スルホコハク酸(例えば、Cytec製Aerosol(登録商標)シリーズ)、オルガノシリコーン(例えば、Witco製Selwet(登録商標)シリーズ)およびフルオロ界面活性剤(例えば、DuPont製Zonyl(登録商標)シリーズ)が挙げられる。界面活性剤は、典型的に、約5%までの量で、より典型的には、2%以下の量で用いられる。]
[0037] エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミノ二酢酸(IDA)、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸(DTPA)およびグリコールエーテルジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(GEDTA)およびこれらの塩等の金属イオン封鎖剤(またはキレート化剤)を含めると、例えば、重金属不純物の有害な影響を排除するのに有利である。]
[0038] ポリマーをインクに添加して、耐久性またはその他特性を改善してもよい。ポリマーは、ビヒクルにおいて可溶、または分散させることができ、イオンまたはノニオンとすることができる。]
[0039] 可溶ポリマーとしては、鎖状ホモポリマー、コポリマーまたはブロックコポリマーが挙げられ、それらは、グラフトまたは分岐ポリマー、スターおよびデンドリマーを含む構造化ポリマーとすることもできる。分散ポリマーとしては、例えば、ラテックスおよびヒドロゾルが挙げられる。ポリマーは、これらに限られるものではないが、フリーラジカル、基転移、イオン、RAFT、縮合およびその他の種類の重合をはじめとする公知のプロセスにより作製してよい。それらは、溶液、乳化または懸濁重合プロセスにより作製される。ポリマー添加剤の好ましい部類としては、アニオンアクリル、スチレン−アクリルまたはポリウレタンポリマーが挙げられる。]
[0040] 可溶ポリマーが存在するとき、そのレベルは、通常、インクの総重量に基づいて、約0.01重量%〜約3重量%である。上限は、インク粘度またはその他物理的な制限により決まる。]
[0041] インク特性
噴射速度、液滴の分離長さ、液滴サイズおよび流れ安定性は、インクの表面張力および粘度に大きく影響される。インクジェットインクは、典型的に、25℃で約20mN.m-1〜約50mN.m-1の範囲の表面張力を有する。粘度は、25℃で30mPa.sと高くすることができるが、典型的には、25℃で約1mPa.s〜約20mPa.sの範囲である。インクの物理特性は、吐出条件およびプリントヘッド設計に応じて調整される。インクは、長期間にわたって良好な貯蔵安定性を有していなければならないし、小さなオリフィスまたはインクジェット装置を詰まらせることを回避しなければならない。さらに、インクは、接触するインクジェット印刷装置の部品を腐食してはならず、実質的に無臭かつ無毒でなければならない。インクの好ましいpHは、約6.0〜約8の範囲内である。]
[0042] 様々なインク成分を、様々な比率および組み合わせで混合すると、概して、本明細書に上述し、概して、当業者に認識されているとおり、所望のインク特性を備えたインクを作製することができる。特定の最終用途のためにインクを最適化するにはある程度実験が必要であるが、かかる最適化は、概して、当業者であれば分かる。]
[0043] 印刷方法
本明細書で規定された印刷方法は、任意の好適なインクジェットプリンタで実施することができる。基材は、任意の好適な基材とすることができるが、本発明は、紙、特に「普通」紙およびフォト光沢紙等の専用紙に印刷するのに特に好適である。]
[0044] 示した成分を併せて攪拌し、得られた混合物をろ過することにより、インクを調製した。別記しない限り、水は脱イオンであった。Surfynol(登録商標)104Eおよび465は、Air Products(Allentown,PA,USA)製界面活性剤である。Glycereth26は、グリセロールの26モルエトキシレートである。
用いた略称は次のとおりである。
PgmBE:プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
DEGmBE:ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
MPPD:3−(2−メトキシフェノキシ)−1−2−プロパンジオール]
[0045] 分散液1
カーボンブラック(Degussa製S−160)を、米国特許第6,852,156号明細書に記載されたプロセスに従って、オゾンにより酸化して、カーボンブラック顔料表面に直接付加したカルボン酸基を形成した。水酸化カリウムを用いて、処理顔料を中和し、表面酸基をK塩形態に変えた。中和した混合物を、限外濾過により精製して、遊離酸、塩および汚染物質を除去した。精製プロセスを行って、混合物の導電性がならされ、比較的一定のままとなるまで、顔料を脱イオン水で繰り返し洗浄した。回収後、分散液1は、自己分散性カーボンブラック顔料の20.5重量パーセント分散液であった。]
[0046] 光学密度
インクを、Canon PIXMA4200プリンタ(標準モード)により、Canon Office普通紙に印刷した。記録された光学密度(OD)値は、Greytag Macbeth Spectrolino分光計で測定された100%被覆率での印刷領域であった。]
[0047] ブリードの評価
3つの試験パターンを同じ紙のシートで作製した。第1のパターンでは、幅約400ミクロンのベタ水平ブラックラインが、隣接する色なしで白色紙に作製された(ブラック・オン・ホワイトと称し、K/Wと略す)。第2のパターンでは、同様の水平ブラックラインが、上下端両方で、黄色のベタブロックに隣接している(ブラック・オン・イエローと称し、K/Yと略す)。第3のパターンでは、最初の2つのパターンと同様の水性ブラックラインは、上下端部の両方において、レッド(イエロープラスマゼンタ)カラーのベタブロックと隣接している(ブラック・オン・レッドと呼ばれ、K/Rと略す)。]
[0048] 3つのパターンのそれぞれにおけるブラックラインの端部先鋭性を、顕微鏡での画像分析により評価した。顕微鏡に結合されたモノクロCCDカメラで、ラインのデジタル顕微鏡写真を撮った。上下端の境界は、反射閾値の分析により判断した。各境界の点を用いて、ライン端部の最小二乗最良適合を表わす直線を計算した。各端部について、境界の点の二乗平均平方根偏差(RMSD)を、最小二乗最良適合直線に対して計算した(ミクロン、μの単位で)。あるシートでサンプリングした点の量と場所で、ライン端部の分析が統計的に有意なものとするのを確実にするのに十分であった。]
[0049] RMSDは、ライン端部先鋭性の知覚に関係している。RMSDの小さなラインは、目視検査では鋭く見えるが、RMSDの大きなラインは「不鮮明」または「ぎざぎざ」に見える。この方法は、異なる条件下で印刷されたラインの相対的な先鋭性(またはラジェッドネス)を客観的に定量するものである。]
[0050] K/Wラインエッジ(RMSD K/W)のムラは、隣接する色がないことから「フェザリング」と呼ばれる。K/Yラインエッジ(RMSD K/Y)またはK/Rラインエッジ(RMSD K/R)のムラは、フェザリングと、ブラックのイエローまたはレッドへの「ブリード」の組み合わせである。このように、本明細書で呼ぶ「ブリード」は、K/Yラインについては、RMSD K/YマイナスRMSD K/Wとして、K/Rラインについては、RMSD K/RマイナスRMSD K/Wとして、定量化され、K/YまたはK/RのRMSDの、K/WのRMSDを超える増加である。]
[0051] テストパターンを、Canon PIXMA4200プリンタ(標準モード)により、Canon Office普通紙に印刷した。水平ラインを作製するのに用いたブラックインクについては、実施例に記載してある。カラーのイエローおよびレッドブロックを作製するのに用いたイエローおよびマゼンタインクは、PIXMA4200プリンタ用に作製されたCanon CLi−8YおよびCli−8M市販のインクであった。]
[0052] RMSDは、紙の銘柄によって大きく異なる場合がある。同じ銘柄でも、紙の連によって大きく異なることがある。日々の環境の変化(例えば、温度、湿度)も変動を生じさせ得る。かかる変動を最少にするため、ある一連の試験は全て、同じ連からの紙で同日に行い、結果は、紙の5つの異なるシートでの5つの試験パターンの平均である。]
[0053] 例1
以下の表にまとめた本例のインクは、米国特許第6,004,389号明細書に開示されているブリード制御剤PGmBEおよびDEGmBE(インク1A)およびブリード制御剤のない対照例(インク1C)に比べた、本発明のブリード制御剤(インク1B)を例示するものである。結果によれば、本発明および比較例のブリード制御剤は両者共、対照例に比べてブリードが減少しているが、比較例のインクは、対照例に比べて、光学密度の低下が大きく、一方、本発明のインクは、せいぜいODが僅かに低下するに過ぎない。]
[0054] 本例の全てのインクのブリードおよび光学密度を測定するのに用いる印刷は、同日に、同じプリンタにより、同じ連から採ったCanon Office普通紙で行った。]
[0055] ]
[0056] 例2
以下の表にまとめた本例のインクは、MPPDブリード制御剤の様々なレベルを用いることを例示するものである。結果によれば、本発明のインクは、対照例に比べ、ブリードが減少していることが分かる。]
[0057] 本例の全てのインクのブリードおよび光学密度を測定するのに用いる印刷は、同日に、同じプリンタにより、同じ連から採ったCanon Office普通紙で行った。]
実施例

[0058] ]
权利要求:

請求項1
水性ビヒクルと、着色剤と、3−(2−メトキシフェノキシ)−1−2−プロパンジオールを含むブリード制御剤とを含むインクジェットインク。
請求項2
前記着色剤が顔料である請求項1に記載のインクジェットインク。
請求項3
前記着色剤が自己分散性顔料である請求項2に記載のインクジェットインク。
請求項4
前記自己分散性顔料が自己分散性カーボンブラックを含む請求項3に記載のインクジェットインク。
請求項5
少なくとも4つの異なる着色インクを含むインクジェットインクセットであって、前記異なる着色インクの少なくとも1つが、水性ビヒクルと、3−(2−メトキシフェノキシ)−1−2−プロパンジオールを含むブリード制御剤とを含むインクセット。
請求項6
前記少なくとも4つの異なる着色インクが、マゼンタ、イエロー、シアンおよびブラックインクを含み、前記ブラックインクが、水性ビヒクルと、カーボンブラック顔料と、3−(2−メトキシフェノキシ)−1−2−プロパンジオールおよび顔料を含むブリード制御剤とを含む請求項5に記載のインクセット。
請求項7
前記ブラックインク中の前記カーボンブラック顔料が自己分散性カーボンブラックである請求項6に記載のインクセット。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
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同族专利:
公开号 | 公开日
WO2009079071A1|2009-06-25|
US20100288163A1|2010-11-18|
EP2222801A1|2010-09-01|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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